今日も引き続き革の断面の仕上げ方について書いていきます。
今日ご紹介するのは「ヘリ返し」という方法です。(↓ヘリ返しをして仕上げたものです)
この方法は革の断面を仕上げているというより、革の断面を包んでいるという方が正確な言い方になるかもしれません。
ヘリ返しも前回ご説明したコバ磨きと同様、コバから繊維がひらいてくることを防ぎ、角を包み込むことで手触りを良くする目的があります。
ヘリ返しでは左の写真のように、貼り合わせる2枚の革のうち、外側の革を大きくとって漉き、内側に折り返すことで断面を仕上げることが一般的です。(モノによっては1枚の革のヘリだけを漉いて、折り返す場合もあります。)今回はわかりやすいように外側=ブルー、内側=イエローの革でその部分だけ作ってみました。
この時難しいのが折り返した幅を正確に均等にしていくことです。革は薄くするほど伸びやすくもなるので、そこに注意をしながら返していきます。Munekawaでは正確な寸法に切ってから折り返していますが、少し長めに折り返して、縫った後に余った部分を切っていくという方法もあります。
そして、このヘリ返しの最大のポイントが角の部分の処理です。角の部分では内側より外側のほうが距離が長いため、外側から返してくる革が、内側で余ってしまいます。そこで、ここでは「菊折り」という技法を使って仕上げていきます。内側に余る分の革を順番に折り曲げていって、シワを均等に分配していくことで、その名の通り菊の花のようにキレイな仕上がりとなります。とても細かい上に正確さを求められる技術です。

↑ このように角部分の革の、外側が余ってしまいます。

↑ 余った部分を少しずつ、均等に目打ちを使って折り曲げていきます。

↑ このように内側の革に沿って、キレイにヘリが返ります。均等にするほど厚みも抑えられて縫いやすくなります。

↑ 最後に表側から縫って、ヘリ返しの完成です。表から見た写真が一番最初の写真です。
一般的に、前回ご紹介した「コバ磨き」をした場合は端に塗りこんでいく蜜蝋で全体の雰囲気が引き締まり、ストレートなラインに仕上げていくことができるので、スマートなデザインになっていきます。一方今回紹介した「ヘリ返し」をする場合はどちらかというと柔らかい印象のデザインが多いです。
Munekawaでは基本的にどのアイテムも「コバ磨き」によって仕上げをしていますが、財布のym-walletの小銭入れ部分でこのヘリ返しという技術を使っています。
どちらの技法も細かい技術と手間が必要な仕上げ方ですが、より丈夫かつ美しく仕上げていくためにはこういった細かい部分が重要となります。