今回は「菱目打ち」という道具をご紹介します。

 

ご存知の方も多いかもしれませんが、手縫いの革製品は、糸のついた針で直接穴を開けるのではなく、一度この菱目打ちという道具で穴を開けてから縫い進めていきます。

 

まず大きく分けて、2本目の菱目打ちと複数本目の菱目打ちがあります。

 

 

菱目打ち11.jpg直線で穴を開ける時には、時間を短縮したいことと、より正確にまっすぐな列で穴を開けていくために複数目一気に穴を開けられるものを使います。

一方、カーブになっている部分や、大きく段差がある部分、穴を開ける距離が短い部分などは、複数本目の菱目打ちでは穴をあけることができないので、一目一目、2本目のもので開けていくことになります。

 

そして、その目の幅によって数多くの菱目打ちが存在します。

 

菱目11-9.jpg写真のものは9本目のものと、11本目のものです。同じ幅の中にある刃の数がそれぞれ9本と11本なのがわかるかと思います。

これで穴を開けていくと、当然9本目のほうが11本目と比較して、目幅の広い穴が開くので、結果的に縫い幅も広くなります。一般的に手縫いの場合、8本目など広めの目幅で縫われているものが多いように感じますが、MUNEKAWAでは11本目のものを基本的に使用しています。

目幅が狭いということは、同じ距離でもそれだけ縫う回数が増えるので、そういった点では時間のかかることにはなります。機能的な面では、目幅が狭いほうが糸締りが良いので、糸がダメージを受けづらいという利点もあります。

見た目としては、目幅が広いほうが糸目が目立ち、よりカジュアルな雰囲気になるかと思いますが、そこはどちらが良いというものではなく、好みの話になってきます。

 

また、同じ目幅のものでも、刃の形にもいろいろと種類があります。

 

菱目打ち種類別.jpg写真だけではなかなか違いがわかりづらいのですが、写真右側のもののほうが少し刃が太く、革に穴を開けた際には少しだけ穴が大きくなります。一般的にクラフト用品として販売されている菱目打ちは刃が太めのものが多いように思いますが、MUNEKAWAで使用している菱目打ちは逆に細い穴が開くのが特徴です。

MUNEKAWAでは総じて細い目で、目幅も狭い菱目打ちを使うので、「手縫いっぽさ」は薄いですが、その分独特の高級感ある雰囲気を出せているのではないでしょうか。

 

今回は「菱目打ち」という道具の説明だけで長くなってしまいましたが、次回はその使い方、作業の部分をご紹介したいと思いますので、お楽しみに。

 

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芯通しされた革

今日のテーマは「芯通し」です。

芯通しというのは革の芯まで染め上げた革のことを言います。

 

表.jpg表から見ると似たようなダークブラウンの革ですが・・・

 

裏.jpg裏返すと、一方は肌色なのに対し、もう一方は裏(床面)までダークブラウンになっていることがわかります。この裏までダークブラウンのものが芯通しされた革、裏が肌色なのが芯通しされていない革です。

 

芯通しをするためにはより多くの時間と染料を使うため、ひと手間かけた革だと言えるでしょう。

 

機能的なこととしては、芯通しをしてあるほうがキズが目立ちにくいということがあげられます。皆さんも革製品を手にしている時、爪でひっかいてしまったり、何かにこすってしまって、そこが白くなってしまったということはないでしょうか?芯通ししていない革の場合、キズがつくことで表面の染料が削られてしまうと、中の元々の革色の部分が見えて、キズが目立ってしまいます。その点、芯通ししている革であれば削れた中も同じ色なので、キズがあまり目立たないというわけです。

 

革鞄や革の財布などは使用している中である程度キズがつくことは仕方ないことであり、むしろそれによって生まれる使い込んだ味を楽しんでいただければと思うのですが、キズが気になるなという方はこの芯通しの革を選ぶと良いかもしれません。(とはいえ、全くキズが目立たないというものではありません...)

 

裏色.jpgMunekawaで使用しているこの革は、表の発色の良さは言うまでもないですが、裏側まで鮮やかな色をしています。

 

お店で革製品を手に取る時、そんな革の裏側に注目してみるのも面白いのではないでしょうか。

 

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明日、6月14日(火)はギャラリーをお休みさせていただきます。
急なお休みで大変ご迷惑おかけしますが、宜しくお願いいたします。

なお、6月15日(水)は定休日となっておりますので、次の営業日は6月16日(木)からとなります。


Munekawa

焼き印を入れる

みなさんのお持ちの革製品のどこかに、なにかブランドの焼き印が入っているものはないでしょうか。

古くから、革製品ではその作者やメーカーを示すために、製品のどこかに名前やロゴなどの印を入れることは一般的です。

 

刻印革.jpg昔はおそらく鋳物で型を作って、それをちんちんに焼いたものを革にジュッと押し付けて...という感じで入れらていたはずです。(革製品を作る道具屋さんに行くと、昔そうやって使われていたのであろう型が売っていたりします。)

しかしそれでは時間もかかるし、均等に押すことができないので、専用の刻印機を使って焼き印を入れます。今日はその紹介。

 

機械ではありますが、基本的にやっていることは同じ。銅やアルミなどに型を作って、それを機械を通して熱し、革に押し付けることで革の表面を焦がし、印をつけます。

 

↓刻印の型です。上から押し付けるので、文字は反転しています。

盤.jpgもちろん昔ながらの方法に比べれば簡単に安定してできるのですが、それでも革の種類や色によって、温度や押し付ける時間を微妙に調整しなければ、薄すぎたり深く入りすぎたりするので、真剣です。

 

↓上部のコードから電気が伝わって、真ん中の金色の部分に熱を持たせます。時々不用意に触れてしまって痛い目を見ることも...。

刻印中.jpgMunekawaの焼き印はいたってシンプル。カバンのマークにMunekawaのロゴが入ります。様々な鞄屋さんや革小物屋さんが様々なデザインの刻印を作っているので、そんなところに注目して革製品を見てみるのもおもしろいのではないでしょうか。

 

 

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6/4(土)・5(日)の二日間、山口での販売会のため、誠に勝手ながらギャラリーをお休みさせていただきます。

オンラインショップでのご購入、電話・メールによるお問い合わせは受け付けておりますので、ご用の方はお気軽にご連絡ください。


 

オンラインショップ→http://www.munekawa-online.jp/

電話→06-6632-5700

メール→info@munekawa.jp


ご迷惑おかけいたしますが、何卒宜しくお願いいたします。

革の漉き

今日は革の漉き(すき)についてご紹介したいと思います。

財布や鞄など革製品の製作というと、裁断縫製のイメージが強いかと思いますが、この漉きもとても重要な工程のひとつです。

 

漉き機.jpg↑Munekawaで使用している漉き機。なかなかの年代物です。

 

Munekawaで主に使用している革は、仕入れた時点では、およそ3mmほどの厚みがあります。これを漉かずにそのまま裁断して縫製していくと、ものすごい厚みになっていまいます。ちょっと強引な例えですが、Munekawaの二つ折り(カード)財布<retain>の場合、5枚の革パーツが重なってその形になっているので単純に計算すると15mm。それを二つ折りにするので30mm...さらにカードやお札を入れていけば50mmくらいはいくかもしれません。

 

当然そんな分厚い財布は使いにくくて仕方がないので、革の厚みを調整することが必要不可欠なのです。

 

漉きにはパーツ一面をまるまる漉く「面漉き」と、組み上げていくと厚みが集中するパーツのヘリを部分的に漉く「ヘリ漉き」がありますが、ここでは主にヘリ漉きについて書いていきます。

上に出てきた写真のものがヘリ漉きに使う漉き機です。下の写真の真ん中の銀色の部分が筒状の刃物になっていて、これが高速で回転するところに横から革を入れることで下側が削ぎとられ薄くなります。

 

漉き機 刃.jpgその際、抑え部分の高さや角度を微妙に調整することで漉く幅や厚みを調整します。

 

漉き機 抑え低い.jpg

 

漉き機 抑え高い.jpg↑2枚の写真を比べると抑えがあがっているのがわかるかと思います。

そして漉いた革の断面を写したものが下の写真です。

 

ヘリ漉き前.jpg

 

ヘリ漉き後.jpg↑ななめに薄くなっていることが見てとれます。

 

今回はわかりやすく大げさに差を付けましたが、実際には目で見てもわからないような0.1mm単位の調整が必要で、実際その0.1mmの差が、組み上げていってモノが完成した時に、大きな差となってあらわれます。

 

日々の製作の際、新作などで慣れないアイテムの場合、サンプルのものを見て、確認しながら作る場合もあるのですが、このヘリ漉きについては完成品を見ても、漉いた部分が見えるわけではないので、ある程度自分の感覚に頼る必要があります。また、革の硬さによっても厚みを微調整しなければならないので、技術的に難しいということ以上にそれを判断できる目と手と経験が求められるのです。

 

機械を使うといってもその機械を使いこなせるかということや、早く正確な判断ができるかという判断力、メンテナンスをして機械のコンディションを維持する知識など結局のところそれを使う人間次第です。

 

私自身、こういった機械を使う工程のほうがむしろ経験の長い方との差を強く感じます。とはいえ避けては通れない部分、コツコツと知識と経験を蓄積していきたいと思います。

 

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