日本製オリジナル革製品ブランドMunekawa

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Vol.02 滋賀県のクラフトビール醸造所[TWO RABBITS BREWING]
モノ作りに欠かせないのは愛と情熱


Munekawaのスタッフがモノ作りについて対談や取材をする『Good craftsman, good things』。
 
 
第2回目はスタッフ随一お酒好きの森と代表の宗川が、滋賀県近江八幡市にあるクラフトビールブルワリー[二兎醸造株式会社(別名TWO RABBITS BREWING)]さんと、直営店[RABBIT HUTCH クラフトビアカフェ]にお伺いし、代表取締役のコレット 理子(あやこ)さんと取締役のショーン コレットさんに、クラフトビールの奥深さや作り方のこだわりをお伺いしました。
 
 
 
 


 
 
 
 

 
 
 
森:私はお酒が大好きで、クラフトビールも含めビールを良く飲むんです。一般的にもビールを飲まれる方が多いですよね。宗川もビール派です。でもこれだけ身近なアルコールにも関わらず意外と知らないことが多く、今回お伺いさせていただきました。私は滋賀県出身なんですが、あまりクラフトビールのイメージが無く……。なぜ近江八幡を選ばれたのでしょうか?
 
 
理子:滋賀県と言えば日本酒が多いので、ビール、クラフトビールは少ないと思います。関西エリアを入念にマーケティングリサーチして、市場や流通、交通の便などを考慮した結果、近江八幡に辿り着きました。
 
 
宗川:昔ながらの街並みが残り八幡掘も近く、いい場所ですよね。
 
 
理子:そうですね。ココが決め手となったのは縁なんです。物件を探していた時に、醸造所がある場所のオーナーさんが、私たちのプロジェクトに賛同してくださって……。滋賀県にクラフトビールというのはおもしろそうだし、近江八幡を盛り上げてくれるんじゃないかと仰っていただけました。
 
 
宗川:それは素敵なご縁! そしてこちらのビアカフェは海外のパブのよう。目の前でビールを注いでもらえるんですね。
 
 
 

 
 
 

 
 
 
理子:元は江戸時代の古い蔵なんです。ビールと料理のペアリングに重きを置き、ただビールを飲むだけではなく、体験もしてもらえる空間がコンセプト。ビールを目の前で注ぐのもその一環です。
 
 
宗川:なるほど。メニューを拝見したら、ビールの種類がとても多いですよね。
 
 
 

 
 
 
理子:大手メーカーから発売されているものはラガービールが主流なので、「ビール=クリアでキレのあるもの」というイメージが定着しています。しかし濁っているもの、マイルドなもの様々。私たちはビールの定義を広げたくて、季節に応じた種類も製造しています。そして心がけているのは飲みやすさ。アルコール度数の高低、苦味の強弱、フルーティなもの、ホップの種類など色々取り揃えて、ビールが苦手な方にも飲んでいただきやすいものもありますし、どんな好みの方でもお気に入りのビールが見つかるように多種多様なビールをご用意しています。
 
 
宗川:できあがるまでに、どれくらいの期間がかかるんですか?
 
 
理子:だいたい3~4週間ですね。この仕事に携わって知ったことですが、ビール作りって洗浄が命なんです。製造工程の8~9割は洗浄していると言っても過言ではないくらい。1回でも菌が入ると廃棄しないといけなくなるので、タンク、パーツ、樽、床……本当に洗ってばっかり。しかもタンク1基洗浄するだけで約2時間かかります。華やかな職業に見えることがありますが、地味な作業がメインなんです(笑)。
 
 
 

 
 
 
宗川:モノ作りって、地味な作業ほど大切ですよね。そこを理解してもらえないジレンマも……。また安定したモノ作りが難しいなと、常に感じています。
 
 
理子:そうですね。ただクラフトビールと大手メーカーが作るビールの違いの一つに、「安定しているかしてないか」というのがあるかもしれません。もちろん一定のクオリティをキープしますが、少しずつ改良していけるのは少量生産だからこそできること。私たちはまだ2年目ということもあり、あえてレシピを固定せず試行錯誤を繰り返して、より良いビールを作ることを心掛けています。
 
 
森:なるほど。そうゆう考え方もあるんですね。もはやクラフトビールと一般的なビールは違う飲み物なのかもしれませんね。
 
 
 
 
 
 
 
理子:クラフトビール作りって感覚やセンスなのかなと思っていたんですが、数字を取って、比較して……。細かい調整の繰り返しです。
 
 
宗川:レザーもそうゆう部分はありますね。革が届いたらまず厚みの調整をします。生き物から取っているものなので、厚さや硬さ、コシが毎回異なるうえに部位によっても違い、間違えるとえぐれてしまうことも。どうスライスすれば均等な厚みになるのかは、かなり計算しなければいけません。そして命あるものを使ってモノ作りをしているので、できる限り無駄のないようにしています。
 
 
理子:モノ作りをすると素材や原材料に対する考え方が、出来上がったものだけを見ていた時とは変わりますよね。例えば麦芽。大手は自社工場で製造していますが、それは市場に出回らないので私たちは輸入に頼らざるをえません。しかしその他の副材料は可能な限り地元のものを使うようにしていて、例えば「金柑ウィット」には近江八幡の農家さんが作った小麦を使っています。また農家の方たちに自分が作った農産物がビールになったのを見ていただけるので、喜んでいただいています。普段は製粉所に麦を納品したら、その後の工程や商品は分かりませんから。
 
 
宗川:地域活性にも繋がっているんですね。地元の方やお客様との繋がりって本当に大切。私たちも購入いただいた方のご意見を真摯に受け止めて、時には商品に反映しています
 
 
 

 
 
 
理子:そうなんです。特に実感したのがクラウドファンディングを行った時。2回行い、1回目はビアカフェを作る時、2回目は缶充填機を購入する時でした。1回目より2回目のほうが早く達成して……。お金が集まったことはもちろん、書いてくださるコメントの数々が本当に温かくて、感謝しかありません。お客様の声を直接聞けるって、幸せな仕事だなと思います。
 
 
森:それは本当に感じます。私は普段は職人ですが、路面店や催事で店頭に立つと、いろいろなお話を聞けるのが嬉しいです。また缶充填機を導入されたそうですが、クラフトビールと言えば瓶のイメージでした。
 
 
理子:創業当初は瓶でした。しかし鮮度、輸送、保管、あらゆる面で缶はメリットが多く、創業時から瓶から缶へ移行することを視野に入れていました。でも本当はもう少し先の予定でしたね。
 
 
宗川:なぜ予定が早まったんですか?
 
 
理子:コロナの影響です。ビアカフェを臨時閉店しないといけなくなったこと、さらに宅呑み需要が高まったことで、今までより多く製造しないといけなくなりました。瓶の時は1本ずつ手作業で充填していたので、製造本数が限られていたんです。すぐに準備をして、小規模醸造所向けの缶充填機を海外から取り寄せました。
 
 
森:缶と瓶では鮮度が変わるんですね。
 
 
理子:缶は密閉性が非常に高く、時間がたってもビールの鮮度を長く保ちます。また日光も完全に遮断するので紫外線による劣化もしません。よかったら、実際に醸造所を見てみてください。
 
 
醸造所はビアカフェから徒歩すぐのところ。工場ではショーンさんが迎えてくれました(今回は特別に許可を得て見学させていただきました。一般見学は行っていません)。
 
 
 

 
 
 
ショーン: ビール作りに大切なものの一つが水。水の不純物を限界まで取り除き、硬度などをビールの種類に合わせて調整しています。また煮沸時の温度管理もとても重要で、温度によって味が左右されるんです。常に一定の温度で煮沸するのではなく、種類によって変えています。緻密な計算が必要なので、ビール作りはサイエンスなんですよ。
 
 
宗川:感覚的に作られているのではないんですね。苦みはどのようにコントロールされるんですか?
 
 
ショーン:ホップですね。苦味を出すためには煮沸するときに入れ、香りを出したいときは発酵中にも入れます。発酵中に入れるとホップオイルによる濁りが出ることも。ただ「ヴァイツェン」は小麦による濁りが出ていて、濁りにもいろいろな要因があるんですよ。よかったら11月に発売する限定ビール「モーベンバー」を試飲してみてください。
 
 
 

 
 
 
宗川:とても飲みやすく、ほのかに煙のような香りがします。
 
 
ショーン:麦芽を冷ましながら燻製する冷燻という手法を使って、香りをつけています。冷燻はビアカフェのシェフ、澤が行っているんです。他にも副材料で紫蘇や金柑を使う時に、コンフィチュールなどにするんですが、それらの下処理もすべて彼がしてくれています。とてもいいチームワークです。
 
 
森:「モーベンバー」の意味は何ですか?
 
 
理子:海外では男性特有のガンとメンズヘルスの啓発運動「Movember」が11月に開催されるんです。その活動に賛同して、売り上げの一部をチャリティーに寄付しています。
 
 
森:ピンクリボンの男性版みたいな感じなんですね。初めて聞きました。これはとても色が濃いですね。色は何によって変わるんですか?
 
 
ショーン:麦芽によって変わります。「スタウト」のように濃い色は焙煎した麦芽を使っていたり、1種類のビールに複数の麦芽を入れたりすることで変化するんです。そしてこちらが缶充填機。50分で500個程作れます。
 
 
 

 
 
 

 
 
 
宗川:想像していたよりコンパクトです!
 
 
ショーン:カナダから取り寄せました。関西で導入したのは私たちが初めてです。理子が話したように瓶より缶のほうが鮮度を保てるので、海外では缶が主流。ただ瓶のほうが絵になりますよね。そこをクリアできるようにラベルを工夫しています。
 
 
 

 
 
 
理子:すべてショーンがデザインしているんですよ。
 
 
宗川:ラベルのデザインまで! 細部までのこだわりをお伺いでき、お二人のクラフトビール愛がとても伝わってきました。
 
 
ショーン&理子:ひと缶にたっぷりと愛が詰まっている。それがクラフトビールと私たちは思っています。
 
 
 

 
 
 
 


 
 
 
 

二兎醸造株式会社
創業者・代表取締役
コレット 理子

大学と就労でオーストラリアに10年在住経験があり、そこでクラフトビールの美味しさとビール文化を知る。2017年に会社設立。

二兎醸造株式会社
創業者・取締役・醸造責任者
ショーン コレット

オーストラリア出身。オーストラリア在住時に長年趣味として自家醸造の経験を持つ。創業前にオーストラリア国家資格の醸造士免許取得。

Munekawa
代表 宗川佳弘

フリーマーケットでのレザーグッズ販売からスタートし、現在21年目。趣味はフライフィッシング。

Munekawa
森和幸

滋賀県出身。お酒が大好きで何時間でも飲めるが、決して酒に飲まれることはなく、翌日にも持ち越さず、スマートに楽しむ。

RABBIT HUTCH クラフトビアカフェ

滋賀県近江八幡市大杉町27 2F
tel.0748-36-2347
営業時間11:00~21:00
月火水休み(祝日の場合は営業、翌日休み)

Two Rabbits Brewing Company Facebookページ
https://www.facebook.com/TwoRabbitsBrewing/

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